五井病院(医療法人 芙蓉会)

院長あいさつ

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病院紹介

院長あいさつ

院長 加藤良二

院長 加藤良二

五井病院は、創設して57年がたち、「予防・医療・介護」という3つのコンセプトを地域医療の中で着実に実践してきました。診療科は、総合内科、外科、小児科、形成外科、整形外科、脳外科、腎臓内科、皮膚科を標榜し、入院・外来での腎臓透析を行なっています。病床の内訳は、一般 106床、回復期リハビリテーション 50床、地域包括ケア 24床に加えて、療養型 34床の合計 214床です。常勤医が少なく、千葉大学をはじめとして、帝京大学ちば総合医療センター、東邦大学医療センター佐倉病院、日本医科大学など数多くの大学からご支援をいただいております。また市原地区あるいは近隣の先生方の多大なるご協力・ご支援に支えられております。

私は、2018年3月に東邦大学医療センター佐倉病院を定年退職し、同年4月より五井病院に院長として勤めております。まずは自己紹介をさせていただきます。出身は大分県で、いまだに本籍を変えておらず戸籍謄本などの書類を取り寄せるのに苦労しております。群馬大学を卒業後、外科医として43年間大学と関連病院で、急性期を中心とした外科医で勤務しておりました。早く治療を済ませて退院させることが使命として患者さんと接していましたが、五井病院に来て急性期病院から患者さんを「受ける」立場に立たされて、あまりの環境変化に戸惑っておりました。

さて、回復期、慢性期病床を運営して感じた医学教育について述べさせていただきます。今の医学教育は、「高度急性期医療」を中心として行われており、地域医療の実践はプログラムに入ってはいるものの、なかなか身につくほど十分ではありません。そういう私も、「急性期を乗り切れば治療は終わり。あとは外来で・・・」という感覚でいましたが、その後の治療、自宅に戻ってからのケアが大事であることが分かりました。なかでも外科医は手術がうまくいって退院すれば終わったと考えがちで、私もそうでした。時代とともに手術も低侵襲となって、退院後すぐに職場復帰できる患者さんは増えてきましたが、反面、患者さんの高齢化に伴い、そのまま退院して自宅に帰ることのできない患者さんも多くなっています。また、核家族化も進み、老々介護など在宅への誘導も難しくなってきています。急性期治療を終えた患者さんを、回復期(これも3~6ヶ月の制限がありますが)リハビリを行いながら、自宅へ帰れそうなら一旦、地域包括ケア病棟へ転棟してから、自宅の整備を待って退院。自宅が無理そうなら、生活環境を考慮した施設等への紹介をと、患者さんの体力のみならず、バックアップの体制まで幅広く整える仕事がケアマネージャーとともに、大変多くの労力を費やしています。

また、一昨年からは市原地域救急業務メディカルコントロール協議会(以下MC協議会)に参加しており、救急隊のレベルアップにつながればと思っています。市原市および市原市消防局警防救急課とも連携し、12年間休止状態であった救急救命士の挿管実習を五井病院で麻酔科の協力のもとに再開し、令和2年度で5名の修了者を育て、一例の現場での挿管が実施されました。救急車の受け入れも大事で、まだまだ当院の体制を整えていくのも大変ですが、私自身が現場復帰して体力は落ちていますが、気持ちも若返ったよう(つもり?)で楽しく働いています。

ついでに現状をご報告させていただきます。昨年来のコロナ禍では、それぞれのお立場で大変な思いをされていらっしゃることと思います。世の中では二度目の緊急事態宣言の最中ですが、ここに来てやっとコロナの対処法が、おぼろげながら解りつつあります。換気をしようが、環境消毒をしようが、ウイルスを全て消去できるものではありません。環境消毒は、するに越したことはありませんが、原点に帰って予防を考えてみます。コロナウイルスは「飛沫感染」による感染が主体であることであることから、最も注意を払わなければならないのは「手」を介して、我々の「目」「鼻」「口」の粘膜へ、ウイルスを招き入れることを防ぐことであります。一般的に、口論でもして直接的に顔に飛沫を浴びることがなければ、患者と接触しても感染しないと思われます。しかし、そこら中にウイルスは蔓延してると思って対処する必要がありますので、触った「手」には常にウイルスがついていると考えて次の動作に移らねばなりません。その汚れた「手」で次に行う動作(特に顔をいじるなど)の前に手を洗う習慣をつけることが大事であることを患者さん、あるいは周囲の人に意識させていただきたいと思います。